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話題:散文
学園のミツキのお正月な話。
カウントダウンイベントも無事に終わり、そのまま朝のバイキングの用意に取り掛かる。
ミツキには正月を祝う余裕など1秒も無かった。
バイキングが一段落した頃には時計は朝9時過ぎを指している。
「お嬢様、ちょっと」
「どうしたの?」
ミツキの世話係兼従業員である女性が声をかけてきた。
この人は母側に雇われた人だ。
何かミスでもしただろうか?
ミツキは自分の行動を振り返りながら女性に近づいた。
「一段落したんで、ちょっと初詣でも行ってきたらどうですか?」
「え…、何言ってんの」
「近所にある神社は商売繁盛の神様らしいですよ」
女性は乗り気では無いミツキの背中を押して部屋へと連れて行く。
ミツキの部屋に入るとミツキの携帯を素早く奪った。
「あ!!ちょっと」
ミツキがそう言っている間に女性はリダイアルボタンを押してどこかへ電話をかける。
「もしもし、少し時間が空いたので初詣などいかがです?支度がありますので30分後に。はい、それじゃ、エスコート頼みましたよ」
ミツキは嫌な予感しかしない。
けれど、確かめなくてはならない。
この女性は、今、何処に、電話をかけたのか。
「だ、誰に電話したの?」
「お嬢様の携帯で繋がる所なんで限られているでしょう?木戸様が30分後にお見えになりますので支度しますよ!」
「な、な…!!」
ミツキの全身がわなわなと震える。
顔は真っ赤だ。
「何勝手なことしてんのよ!!」
「そんな事言われましても30分後にはおいでなるのですよ」
「う、うぅ」
女性は慣れた風にミツキを言いくるめて、支度を始める。
小紋の着物を取り出してそれを着せていく。
きっちり30分。
女性はミツキを従業員用出入り口から送り出した。
白い息を吐きながら木戸が外で待っている。
「あけましておめでとう!」
木戸はミツキの姿をとらえると一度目を見開いてから微笑んだ。
「あけましておめでとう。ジャパニーズドレス、似合ってる」
「…っ!!」
ミツキの顔が湯気が出るのではないかと思うぐらい真っ赤になる。
二人は手を繋いで歩き出した。
おわり
***
実家でごろごろ予定が思ったほどごろごろ出来ていない。
そしてPCを忘れたので取りに帰ったら鍵を忘れて大晦日ネタ書けなかったorz